風が強く吹いている／三浦しおん

三浦しおん２冊目。箱根駅伝テーマの陸上ものということで、手を出す。先に言っちゃうと（ネタバレではないレベルだと思うけれど）、一年弱の練習で、未経験者含む最低限の人数で、本選に出られちゃうほど、箱根って甘くないでしょう！？！とは、思った。お正月になると、実業団駅伝見て、天皇杯決勝見て、箱根見て、翌日も箱根見て、あとは高校サッカー…とどっぷりスポーツ観戦好き一族で育ったミーハーなわたくしからしても。作中の東体大・榊の発言のほうが、むかつくのだけれど普通に納得の行く内容。
でもでも。その上で。小説としては、面白かった。夢物語なのだけれど、ちょっと軽口過ぎる気もするのだけれど、引き込まれました。10区を走る10人のキャラクターが丁寧に描かれ、脇役たちも好感度が高い。私はユキが結構好きでした。主役級のふたりはもちろんそれなりに魅力的だし。
箱根のディテールがいろいろわかるのも、ミーハースポーツ好きにとっては楽しめるし。監督車の役割とルール、コースの詳しい説明、どの区を走ると、最後の大手町に間に合わないとか、走りながら見える景色だとか、もろもろ。箱根駅伝好きの両親や友人Ｓちゃんに貸したいと思います。
映画化だかドラマ化だかあるんでしたっけ。ちょっと見るの怖いなー。

風が強く吹いている (新潮文庫)