木曜組曲/恩田陸

前回の本がまだちょっと気分悪いので、はずれがないところ読んでおきたい気分で、恩田陸。結構前の作品のようですが。(初版1999年)
巨匠と呼ばれるような小説家であった重松時子の服毒自殺。その命日近くに毎年集まる、時子の縁者である女性5人…編集者えい子、小説家尚美とつかさ、ノンフィクションライター絵里子、文章も書く編プロ経営者静子。なごやかな宴であったはずが、いつしか4年前の時子の死の真相を探るそれぞれの告発と告白が入り乱れる場へなだれ込んで。オンナならではな感じの嫉妬や何やら、それぞれの思惑が交錯しつつ、少しずつ真実に近づいて行く盛り上げ方はやはり上手。人物描写をしっかりするから、この人物ならこうする、こうはしない、というのがそこそこ納得出来る。若干浅い感じもするけれど、最後まで楽しめました。
カバーの折り返しに写真があったけれど、これ映画化されていたのですね。写真見て、あー鈴木京香が静子かな、なるほど、と思ってたら絵里子役だったみたい。あら。イメージが違う。そしてどうかな、映像で見ると、面白くない気もする。回想とか、後から「あのとき実は」みたいなの多いからなあ。

あれ。文庫は唐仁原さんの装幀が良かったのに、画像がない。

木曜組曲 (徳間文庫)

木曜組曲 (徳間文庫)