幽霊人命救助隊/高野和明

自殺して幽霊となった4人が、現世で自殺しようとする人たちを救助しなくちゃならなくなって、「幽霊人命救助隊」として働きまくる…という話。ヤクザとサラリーマンと若い女と主人公の浪人生男子、という取り合わせやら何やら、だいぶコミカルでベタなエンターテイメント小説(と裏表紙にも書いてある)。自殺を防ぐくだりは幾つかはグダグダだったり略され過ぎてたりファンタジーで、これを読んで単純に「命の尊さを知りました」とはさすがに思えなかった。だけど、世の中には驚くほどたくさん自殺の理由があって、そして本当に、実際に、多くの命が落とされてることを考えると、多くの「自殺の理由」を取り上げ、「回避する方法」を描く作者が必死に訴えたい気持ちは伝わる。
最後、エピローグは蛇足な気がする。でも他の小説も読んでみたいと思える作家。

幽霊人命救助隊 (文春文庫)

幽霊人命救助隊 (文春文庫)