まほろ駅前多田便利軒/三浦しをん

直木賞。そこそこ面白かった。解説が鴻巣友季子さん。
東京の神奈川に接したはずれ、まほろ市の中心であるまほろ駅前にある、便利屋多田さんが主人公。年齢の描写はないかな。イメージは30代半ばから40くらいか。独身男性の面倒くさがりな暮らし方と、便利屋としての一家言あるところなど、典型的な人物像を描きつつ、これまでの人生で何かあったことを匂わせるあれこれ。仕事帰りに会ったのは、高校の同級生の行天(ぎょうてん、という苗字)。行くところがないという、高校時代口もきいたことのない相手を、ついつい流れで家兼事務所に上げてしまい。いつしか共同生活・便利屋を手伝い出す不思議な、かつ迷惑な行天。便利屋としての仕事を通しての出会いや心情の吐露などありつつ、そこそこ魅力的な脇役なども出てきつつ、まほろの街を舞台に物語が進む。
ちょっと軽口。メロドラマ的要素・わかりやすい活劇もあり。続編も書かれているらしいです。
三浦しをんは同世代で、出始めの頃は高をくくってたというかなんというか、今まで迷いつつも手に取ることもしないでいて、それは反省。自分の年齢って、もうちゃんと大人です。ちゃんと作家にもなれますよ。

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)