アヒルと鴨のコインロッカー/伊坂幸太郎

うーん。ホントにこれ本屋大賞受賞作なの?というのが読み終えた最初の感想。本屋大賞受賞!の帯に騙されました。違いました。ごめんなさい伊坂さん←?。教えてくれたひでっちさん、ありがとう。
帯には「四散した断片が描き出す物語の全体像とは?」「気鋭が贈る〈ささやかな奇跡〉 清冽な余韻を残す傑作ミステリ」とありましたが、残念ながらその描き出された全体像が面白くない。余韻も決して清冽ではない、と思いました…。
2年前に起きたある事件とその余韻、それと現在の出来事・女の子一人称と男の子一人称が交互に挿入され、結末近くで融合して行く展開。「オーデュボンの祈り」感想で、登り終えた山頂の景色は抜群だけど、そこまでの登山が全然楽しくない、と書いた気がしますが、こっちは登山も楽しくない上に、山頂も、え、コレで終わり?という感じでした…種明かし部分は幾つかは面白かったけれど、全体的に使い古されたミステリの展開だし、終わり方も寂しい。もう少し壮大な感じで終わらすには、この文体は軽すぎる気がする。
かつ、これはもう今まで読んだこの作家の作品全部において感じるので、相性が悪いのだろうけれど、主要登場人物に納得行かない言動が多すぎて読みヅライ。本屋大賞!と期待が大きかったので(勘違いでしたが)点が辛くなってる気もしますが、伊坂幸太郎、これ以上は手出さないでおこうかな…。

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)