犯人に告ぐ/雫井脩介

警察小説。引き込まれたのだけど、ちょっとしんどかった。主人公・巻島が、追いつめられたり誤解されたりするような描写が多くて…、こういうの、勝手に胃が痛くなってしまうのだよな。通勤電車で読み始めたものの、朝からしんどくなるのがイヤで手が止まっておりました。
一気に読める出張の新幹線でようやく読了。マスコミを巻き込んだ「劇場型捜査」、足を引っ張る内部の人間、踊らされる視聴者、愉快犯の挑発。…お話しはまあまあ面白かったものの、作家さんとしてはそのある種の「しんどさ」と、人物描写の偏りみたいなものが苦手かも。他を読みたいとはあまり思えなかった。
なんだろうなー。あの、特に「植草」というオトコの描写が気持ち悪くて。こういう人物なんだ、というのを事細かに説明するエピソードなんかが、それはつまり狙い通りなのかもしれないけれど、キモチワルイ。作者の中に、こういう部分があるかのごとく感じてしまって。「曽根」なんかはもう少し描写があってもいいと思うし…。偏見です。すみません。

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