幸福な食卓/瀬尾まいこ

4編の中で、主人公の女の子佐和子が中2から高2まで成長する。ある事件を経て、すこし不器用な両親と、兄がいる4人家族。学校でのあれこれ。
中学生の描き方が一番上手な感じ(作者は中学校の国語の先生)。高校の合唱練習のくだりは、うーん、ちょっと違和感。あれは駄目な方にころぶ確率の高い解決ではなかったか?と思ってしまうワタシも性格が悪いのかもしれないけど。えてして、女子の方が意地悪だと思うのですよ、高校生なんて。
最後の一編では、少々悲しい事件が起こる。…悲しいし、悲しさもよく描かれているのだけれど、これって必要なの?ともちょっと思った。登場人物のそれぞれが、なんというか「役」っぽくて、うまいのだけど、ところどころわざとらしく「演技」しているかのように感じてしまった。

幸福な食卓 (講談社文庫)

幸福な食卓 (講談社文庫)