うたかたの日々/ボリス・ヴィアン  訳:伊東守男

帯には「現代の最も悲痛な恋愛小説」。
でもそんなに悲痛な感じでもないよね…。最終的には悲恋というか悲劇なんだけど。…思い返すと、ちょっとひりひりするけど。
「きれいな女の子との恋愛と、ニュー・オルリンズかデューク・エリントンの音楽」だけが行動の指針になるって世界。
街の風景や、クロエやアリーズのファッションの描写、ニコラの料理、ねずみ、フェキサチフを吹き付けたらネクタイがかたまっちゃうだとか、その世界を構成するもろもろがいちいち気になるし魅力的。たまにぐだぐだしてるけど、好きですわ。こういうの。
そして解説が荒俣宏なところで、完敗。