99%の誘拐/岡嶋二人

99%の誘拐 (講談社文庫)
岡嶋二人なんて読んだの何十年ぶりだろう…は大袈裟だけど、十何年ぶりではあるだろうなあ。ジャンルとしては推理小説。単行本初版は90年代初頭のようです。
ある誘拐事件の被害者であった男が病床で残した手記から物語は始まり、20数年後、その頃まだまだ僅かな人たちのものだったパソコン通信やネットゲームを絡め、最新鋭の技術を駆使して、また大規模な誘拐事件が実行されるのだけれど…という。駅の電話ボックスからラップトップのパソコンを使って通信…なんてしているけれど、この当時、かなりの大荷物になってんだろうなあ、など時代を感じさせる部分もあり。しかし音声の遠隔操作で完全に動くシステムってのは現代でも普及はしてないわけだし、不可能要素も取り混ぜつつ、途中途中で種明かしがされるのに、最後まで読ませます。