新編 銀河鉄道の夜/宮沢賢治
誕生日に頂いた本その1。手元にもあったのですが、久しく開いてもいなかったので喜んで読ませていただきました。童話を集めた一冊で、原稿の未整理箇所などはそのまま掲載されている。「生(なま)」な感じ。
「銀河鉄道の夜」はやはりせつなくて美しくて胸に迫る。夏の夜のけだるい空気とか原っぱの草の湿り気とかみずみずしい空気。あのアニメの猫顔で浮かんでしまうジョバンニとカンパネルラなのだけど…。
そして物語は悲しくて泣けるのだけれど大好きなのは「猫の事務所」。論文書いていて「東京電気局」が「東京伝記局」と変換ミスされたときに「猫の事務所みたい」と言った人がいたのだけど、そう、何かそういう別の仕事場…としての伝記局なんてのがあったとしたら、かま猫も生き生きと働けたかもしれないよ。ほか「セロ弾きのゴーシュ」や「よだかの星」「オツベルと象」など著名作も収録。