鬼平犯科帳 23 特別長編 炎の色/池波正太郎

長編の前にひとつ「隠し子」。平蔵の父に隠し子がいた…ということで23巻目にして平蔵の異母妹が登場ですよ。びっくり。関係を明かされぬまま役宅へ引き取られた妹お園は、長編「炎の色」でも活躍、という筋書き。
峰山の初蔵という侮れない男や、荒神の二代目という女賊などを相手に、じわじわ、あくまで冷静に目立たぬように、の捕物帖。これまでの話で(鬼平や部下が)犯した失策を、絶対に犯さないように…という心配りで、ずっと読んできた読者には「そうそう、そこを気をつけにゃあ」とにやりとさせるようなとこを感じましたよ。