チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷/塩野七生

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫)
塩野七生2冊目。この方は史実に基づいた壮大な「小説」を書かれるのだと勝手に解釈していましたが、この本はかなり「歴史書」で「伝記」的要素が強い。ルネサンス期のイタリアにおいて「優雅なる冷酷」を体現した野望あふれる若者チェーザレ・ボルジアの壮絶な人生を綴っております。マキアヴェリも出てくる。ダ・ヴィンチも出てくる。でも語られるのはチェーザレについてだ。弟妹を利用し、法王である父の絶大な権力と富を背景に、自らの頭脳で戦い抜く武将。かなりの地名人名入り乱れで、途中、なんだっけこの人、みたいなのも多くなりますが、出し抜いたり出し抜かれたりしながら勢力を高めていく姿と、最後、うちひしがれていく没落の時期と、壮大・壮絶なドラマは面白かったです。
チェーザレ・ボルジアといったらあれだ。川原泉だ。「バビロンまで何マイル」。ワタシの僅かな知識はここからでした。