水に眠る/北村薫

水に眠る (文春文庫)
引き続き短編集。最近短いのばっかり。好きなんだけど、一瞬で読み終わるな…。話は比較的どれも軽口だったかも。最初の「恋愛小説」がちょっと違和感…不思議系だったので不安になったけれど、あとはまあ大丈夫でした。「くらげ」と「かとりせんこうはなび」はSF的発想の発明品が普及した世界、なんていう北村薫の知らなかった一面。「矢が三つ」は「二夫一妻制」の世界。ちょっと面白そうでしょう。中では表題作「水に眠る」が素敵でした。「水」をね、薄く切り取るというか、剥がすんですよ、水面を…。
そして何だこれは、と思わされるのが解説。なんと10編の短編それぞれについて一人ずつ解説者がいるのだ。有栖川有栖若竹七海貫井徳郎おーなり由子etc.…ふざけてる。でも全部読んじゃうけど。