伊丹十三33歳のときの求人広告

配偶者を求めております
一、ごく贅沢に育てられたひと
一、ただし貧乏を恐れないひと
一、気品、匂うが如くであること
一、しかも愛らしい顔だち
一、エロチックな肢体をあわせ持ち
一、巧みに楽器を奏し(ただし、ハーモニカ、ウクレレマンドリンは除外す)
一、バロック音楽を愛し
一、明るく、かつ控え目な性格で
一、アンマがうまく(これは大事だ!)
一、天涯孤独であるか、ないしはごくごく魅力的な家族をもち(美しい姉や妹たち!)
一、ルーの下着、エルメスのハンド・バッグ、ジュールダンの靴を愛用し
一、サリンジャーの「キャッチャー・イン・ザ・ライ」が一番好きな小説で
一、片言まじりの外国語を話し
一、当然酒を飲み
一、料理に巧みでありながら
一、なぜか、カツパン、牛肉の大和煮、などの下賤なものに弱点を持ち
一、猫を愛し
一、お化粧を必要とせず
一、頭がいいけどばかなところがあり
一、ばかではあるが愚かではなく
一、まだ自分が美人であることに気づいてなく
一、伊丹十三が世界で一番えらいと思っている
一、私より二まわり年下の少女
というのであるが、ウーム計算すると残念ながら十年は無理だね。計算すると彼女はまだ九歳にしかなっていない。

============以上引用終わり
何を勝手なことを。と思いながら笑ってしまった。本の巻末にこれなんだもの。ちなみにウクレレ、ハーモニカは楽器として簡単過ぎるから駄目らしいです。マツモニカ氏のクロマチック・ハーモニカなら許されるのでしょうか。
追記:私はウクレレ弾きです。ええ。