西日の町/湯本香樹実

西日の町 (文春文庫)
よかったです。本屋で見かけて即手にとってしまいました。好きな作家、というにはあまりに寡作なのですが、前2冊の「夏の庭」「ポプラの秋」も、いいんだ、とても。どれも子供が主人公ものでして。最近は幾人か大丈夫な作家も見つけてますが、そもそもは子供一人称の小説は苦手だったのが、彼女のものは大丈夫…どころかとても良くってびっくりしたのでしたよ。上手なのだと思います。
西日の町、は九州の町。僕と母と、僕にとっては母方の祖父にあたる「てこじい」と暮らした日々の思い出を思い返しながら辿る、ささやかなものがたり。ちょっと短いのであっと言う間に読み終わってしまって惜しいなあ。