プラナリア/山本文緒

プラナリア
間が空いたー。それは専門書を読んでいたり論文で頭が溶けていたり携帯にD/Lしたゲームにはまっていたり(電車の中で)手を付けた池澤夏樹がつまらないわけではないのになかなか進まなかったりしていたからなのですが、さすがに「活字をくれ!」と本日3冊入手。
こちらは短編集。なんかこう、不幸、と言うと違っちゃうが、ついていない女性が主に主人公。癌だったり離婚だったり夫のリストラだったり結構シビアな現実に、打ちのめされたり、どっちつかずの現実に甘えているうちに痛い目にあったり…。そして荒んだココロは、貴重なはずの誰かの愛を簡単に手放したりする。親の、友人の、恋人の気持ちは痛いほどわかるのに、応えずに、踏みにじったり。自暴自棄になってると見られるのすら耐え難い感じで。そんな心理状態にまで陥るなんて、そうない。と、思うけれど、何故か薄氷を踏む思い。遠い世界のはずなのに、表裏一体な気もする。それはけっこうツライ感情でした。
でも「ネイキッド」のチビケンや「あいあるあした」の真島さんはいいオトコだ。そして「囚人のジレンマ」の朝丘くんはいい男ではないけれど、たぶんワタシはとても好きな感じであった。山本文緒、初めてでしたが結構よかった。