冷静と情熱のあいだ―Blu/辻仁成

冷静と情熱のあいだ―Blu (角川文庫)
読了。コレ難しい。読み進むにつれてRosso−女性版での主人公あおいと、こっちの男性版での主人公順正が、本当に愛し合っていた…というのが納得いかなくなってしまった。だって順正という男はかなりひとりよがりだよ。思い込みで突っ走るタイプで。あおいはものすごく冷めた女性。両極端な2人だからこそ惹かれ合う?それは特殊解の振りをしたステレオタイプかもしれないけど何だかなあ…と思えてしまった。穿った見方をしすぎだろうか。ステレオタイプを許すとすれば、熱い男・ちょっと子供な順正を自分にはないものを持つ者として惹かれ受け入れ姉的に見守るあおい…という図式なのだけど、小説では順正が、あおいの兄のように振る舞うのが好きだった、みたいな表現もあり。違う気が。と。
あととりあえず順番は関係ないと思いつつ結末を考えると、江國さんの女性版から読んだ方がいい感じでした。
さんざん文句みたいなこと書きましたが、ちょうど今読んだからな。ワタシはちょうど、もうじき30歳だからな。30歳の誕生日、がひとつの運命の日であるこの小説は、妙に迫ってきてしまったよ。あおいの逡巡に、冷静さに、芽実の一途さ、幼さに、やめればいいのにいろいろ投影しちまいました。あーあ。あとこのまえ塩野七生読んで、これ読んで、ココロはイタリアに飛びましたねえ。行ってみたいさ。