アド・バード/椎名誠

アド・バード
つづけて初・椎名誠。近未来SF…でいいのかな、ジャンルとしては…と読み進めて。あとがきでも解説でもSFって言ってるからいいらしい。でも椎名誠ってSF作家じゃないよね??
広告に支配され、果ては戦争まで起き、有毒有害な「虫」たちが街を滅ぼしていく、そんな世界で父を探して旅をする兄弟とアンドロイドの冒険譚。文庫にしては分厚いけれど、厚さ以上に情報量みっしりな印象。冒険に直接は関わってこない、この世界の理屈や設定が細かく出てきたりする。虫の描写は怖いし、もういろいろ大変な思いをするんですが、結構はまりこんで読めました。どう終わるのかなあ、と思っていたら、ちょっと尻切れトンボな感じだったのですが、まあいいか。しかし最後までキンジョーが胡散臭くて全然信じられなかったのですがね、ワタシは。マサルくん優しすぎないか。そういえばマサル・菊丸兄弟の年齢すらあやふやなまま。そういう小説。