ナイフ/重松清

ナイフ (新潮文庫)
初・重松清。短編集。ううううーん。上手だ。文体は好き。しかし上手ゆえに痛い…と云えばいいのか。主人公は親であったり子であったりするんだけれど、その殆どにいじめが扱われている。いじめの描写、いじめられている側の必死さと辛さとプライド、親の気持ち、すれ違い、全部、ちょっと痛すぎて、苦しくて、何かもう途中で胃にキそうでしたよ…とほほ。それでもなぜか空気はそんなに暗くないのだけど。
しかし「キャッチボール日和」は荒木大輔が取り上げられて、その引退試合の描写だとかあって、違ったところで楽しめてしまったのですが。そしてそれほど苦しまずに読めたのと、登場人物が好きなのと、ああ、娘の気持ちわかるよ!っていうのとで「ビタースィートホーム」が良かったです。
これ含め、友達と後輩らと、3人から7冊本を借りたので、一ヶ月くらい楽しめそうです。嬉しー。