スティル・ライフ/池澤夏樹
ISBN:4122018595
初・池澤夏樹。あああー。知らなかった。好きな感じだった。ずっと前から知ってる名前だったのに。ああ惜しい。とか言っていないでこれからだだだ、っと読んでしまいそうです。
静かだけどなんだか瑞々しい。「ぼく」とつかみ所のない友人「佐々井」の静かなやりとりを綴る表題作(2人の会話がすごく好きだー)と、男やもめの父と娘、ロシア人の友人の生活に、娘の描く物語が挿入される「ヤー・チャイカ」の2編収録。
最近若手作家も読むようになって逆に実感するのだけど、日本語力違うんだよなあ。それなりのベテランさんは。当たり前ですがね、揺るがない礎があるから、その上のいろんな材料や味つけを素直に楽しめるのだと、ここ最近読んだ小説数冊に関して、ホントそう思った。ちょっと気に入ってた伊坂幸太郎とか、まあ苦手だっだけど鈴木清剛とか、読む気失せてきちゃったものなー。不器用な荒々しさ、より洗練された安定感を求めたいこの頃です…それは歳を取ったからなのかー。