亡国のイージス/福井晴敏

亡国のイージス 上 (講談社文庫)亡国のイージス 下(講談社文庫)
福井晴敏3冊目。コレが一番小説として完成されてるような。舞台は現代日本。先日読んだ「Twelve Y.O.」から続く内容。自衛隊と、防衛庁の秘密情報局ダイス、そして究極の毒ガスGがまた出てきます。あとは北朝鮮工作員アメリカの思惑。日本のぬるま湯外交と国民の欺瞞を正す正義のもとに、私怨も絡み、裏切りに次ぐ裏切りもあり。でも一番強いのは結局個人の「正しい気持ち」のようなものだという流れはこの人の小説の肝なのかな。最終的にはきれい事なのですが、それを読ませる筆力はある方なのだと。
ただ、ただですね。
この小説と「終戦のローレライ」、展開が似すぎているのがちょっと気になりました。海の上(ローレライは海中だが)という逃げ場のないところで繰り広げられる戦闘、陸上での首脳部の煩悶、隠されていた陰謀・裏切りの露見。え、またそういうのなの?と上巻の最後でちょっと焦ってしまったよ。でもまあ畳みかけるこの勢いにまかせて分厚い上下巻を3日で読んじゃうくらいにはオモシロイです。
そしてこれも映画化されるそうで。宮津艦長が良い役者じゃないとツライだろうなあ→調べた。寺尾聰かー。そうか。演技派だなあ。仙石:真田広之…、ううむ。もう少しおっさん臭いイメージなのだが。如月:勝地涼、知りません。難しい役だと思うけど、新人?ヨンファ:中井貴一、あーなるほど。そう来るか。 これ蔵之介さんでもいいんじゃないかなー。←個人的趣味