ブランコのむこうで/星新一

ブランコのむこうで (新潮文庫)
星新一さん。SFショートショートに限って言えば、新潮文庫で出ていた作品は全て読んだと思う。ほぼ小学生から中学生にかけて。あとその勢いで高校くらいまでかかって「人民は弱し 官吏は強し」「明治・父・アメリカ」なんかのノンフィクションも読んで。…今でも押入にとってある、黄緑色の背表紙。しまいこんで、もうここ10数年読んでなかったしなあ、と思いながら最近本屋に並んでいたこの一冊をとうとう手にとってみました。
子供向けSFファンタジー、かな。主人公の少年「僕」がいろいろな人たちの「夢」の世界を旅する冒険譚。大人が読んでもココロ休まる感じですが。そしてまず、日本語が美しい。「僕」はお母さんに「いってまいります」と言って学校へ行く。そして心遣いが優しい。「僕」は自分そっくりで気になった少年を追いかけて、本当に似ているのか、後ろから顔を覗き込もう、と思うんだけど、突然そんなことされたら自分もいやだから止めよう、と考える。そんな感じ。将来子供に読ませたいですよ。っていつですかそれは。