時間の中の住まい?高橋公子と五つの住まいの現在/日本女子大学高橋研究室の会

時間の中の住まい―高橋公子と五つの住まいの現在
1997年に亡くなった、高橋公子さんという女性建築家の設計した住宅と思想についてまとめられた一冊です。て書くと真面目そうだし、難しそうだし、しかも不勉強なことに高橋公子さんよく知らなかったし…でなかなか手を付けずにいたのですが、読み始めたら面白かった。はい。
池辺陽の弟子であられたということで、住宅は生活する住民がつくっていく器的なものであるという意識と、住宅の工業化、そして身体に適当だという独自のモデュールの使用、などが設計において特徴的なところでしょうか。単純に、鉄骨が剥き出しであるとか、全体がワンルームの住居とか、和室のない家だとか、好みではない要素のはずなんですが、読み進めて行くにつれて、あれ、こんな家住んでみたいかも、と思わされたのは何故なのか。ちょっと読み返して考えてみたくなりました。
でも基本的には住宅は雨風、そして自然の猛威を凌ぐ場所であると思ってはいるので、防暑防寒が考えられていなかったり、平気で雨漏りする家というのは根本的に疑問を感じたりもしました。このあいだ、じゃあそういう家がいいのならハウスメーカーに頼めばいいじゃない、と設計を生業とする方に言われたりもしたのですが、「建築家」に設計を依頼したら、雨漏りがしてもしょうがないというのは本末転倒だと思うわけで。それを超越したデザインの素晴らしさ…っていうの以前の問題だと思うんだけどな。つまらないこと言ってるんでしょうかね。