グッド・バイ/太宰治
ヴィヨンの妻 (角川文庫)
部屋の本棚にあった…ので間違いなく再読のはずなんだけれど、あまり記憶がなかった。角川文庫クラシックスというシリーズで平成10年初版。そして解説が小川洋子でした。びっくり。
パンドラの匣、トカトントン、ヴィヨンの妻、眉山、そして未完のグッド・バイの5編。
恐らくは結核で療養所(ちょっと変わってる)にいる「僕」が親友に宛てた手紙形式でつづられるパンドラの匣、短い中におかしさといじわるさと悲しさがいりまじる眉山、がよかった。
絶筆であるグッド・バイは浮気性の男が妻子の元に戻ろうと決め、大勢の愛人達と手を切るのに、昔の悪い仲間であるものすごい美人(普段は乞食のような様子の怪力女)の手を借り…とか気になるところで途切れ。こんな軽口の話しを書き進めながら途中で死んでしまったのか、と今更ながら知る。
(やはりこの本買ったけど読んでなかったのかしら?)