本を読む楽しみとか

前出のスズキさんは主に青年と呼ばれる方々が読むよーな漫画の編集なんぞされている友人ですが、彼女曰く
「最近のワカモノは行間を読む、ということをしない」
と。漫画の台詞でもモノローグでもいいのだが、文字に書かれていない、背後に横たわる何ものかに思いを馳せるような読み方はとんとしなくなったと言うんだな。ラブシーンなら「好き」とか「愛してる」とか言わせなきゃ、そういうシーンなら今どこ触って何しててどう感じてるのかを逐一説明してやらなきゃ、読者は理解しなくて、人気も出ないらしく。
それって何だろうなー。と話していて。
ワタシらだって若輩者ではあるが、少なくとも小さい頃、知識も語彙もなかった頃に読んだ本や漫画は、とにかくわからなくても、それしかないから、読んで。読むうちに、深読みもするし想像も妄想も広がるし学ぶし。それが今は、選択肢が多いから。わからなければ、わかるものを選んで読めばよいのだろう、と。淘汰とは思いたくないけれど、ストレートで露骨な表現だけが残るのって、ものすごく味気ないことですな。最近人気があっても面白く感じない小説って、それなのかなあ。とも。