小説

人生のちょっとした煩い/グレイス・ペイリー 訳・村上春樹

グレイス・ペイリー読んだのは2冊目?…と日記内検索したら見つからず。(本棚には「最後の瞬間のすごく大きな変化」があるので、その昔読んだはずなのですが。。。)表紙がホッパーなのよね。 中は短編集。というか、グレイス・ペイリーは長編は書かなかっ…

風に舞いあがるビニールシート/森絵都

名前は見たことある作家さんでしたが未読でした。短編集。これで直木賞受賞とは知りませんでした。6編は主人公の性別も年代もさまざまで、雰囲気すら違う感じ。1編1編違う作家であると言われたら騙されるかもしれないな。女性が主人公の「器を探して」「…

四文字の殺意/夏樹静子

文庫版は今月の新刊。先日の給料日衝動買いの一冊。 「ひめごと」「ほころび」「ぬれぎぬ」…などなど、4文字の言葉がタイトルになった6編の短編集。伊豆高原へ向かう電車内で読み始めた1話目「ひめごと」の舞台が伊豆だったため、おおお、とはまったりし…

1Q84/村上春樹

読み終えたのは一週間くらい前か?単行本通勤鞄に入れて持ち歩いてしまった。ものがたりはまだまだ続いていくかのような終わり方。青豆は本当にそうしなければならなかったのか?天吾はこれからどうやって生きて行くのか。まだ読ませて…と手を伸ばしてももう…

算法少女/遠藤寛子

江戸時代、実際に出版された「算法少女」という算数(数学)読本があるそうです。父に算法の手ほどきを受けた「千葉あき」というむすめが著したとされています。この小説は、実在する「算法少女」をもとに、架空の人物と実在した算法家とを登場させて創作さ…

山田商店街/山田マチ

面白かったー。 ラーメンズの「スタッフ」山田マチ氏。そのwebサイトでちら見していた「山田商店街」が一冊の本に!きっと日本のどこかにある、山田商店街の商店を舞台にした短編(とれたてのだるまを供するだるま食堂。ホンモノでいらっしゃる犬のおまわり…

つむじ風食堂の夜/吉田篤弘

六本木のABCのベテラン店員さんのおすすめで、長らく売れ続けている密やかな名書…みたいな記事を読んだのだったか、テレビで見たのだったか。たまたま大学生協で見つけて手に取った。 月舟町という町の、つむじ風舞う交差点に建つ「つむじ風食堂」での出来事…

パレード/川上弘美(再読)

今日、話題に出たので読み返してみた。 買って読んだのは2年前の10月で、文庫版発売もそのとき。出たばかりで買ったんだな。 http://d.hatena.ne.jp/ka_ya/20071023 「センセイの鞄」のツキコさんとセンセイの、日常。 うっすいから、一瞬で読める。 そして…

王家の風日/宮城谷昌光

学生に借りました。中国時代モノ。600年に及び栄えた古代中国の国、商(殷)王朝の最期を描く歴史小説。宮城谷昌光を初めて読んだのですが、力強く物語りを紡ぐ、というのと違って、作家主観での調査の結果が反映されてるような文章が不思議でした。歴史書で…

木曜組曲/恩田陸

前回の本がまだちょっと気分悪いので、はずれがないところ読んでおきたい気分で、恩田陸。結構前の作品のようですが。(初版1999年) 巨匠と呼ばれるような小説家であった重松時子の服毒自殺。その命日近くに毎年集まる、時子の縁者である女性5人…編集者え…

向日葵の咲かない夏/道尾秀介

「このミステリーがすごい!2009年度 作家別投票第1位」というんで、いまそこここの本屋で面出しして大売り出しなわけですよ。それでつい手に取ったのですが。 うーん。私はダメでした。面白くない。読後感悪い。ミステリーなのかな、そもそも。主人公は小…

体験のあと/ガイ・バート  訳:矢野浩三郎

この「体験のあと」は途中まで読んでほっといてしまっていたのを読了。貸してくれた人がいろいろ説明濁していたわけがわかりましたよ。これ最後まで読むと、全然感想が変わるというか、もうジャンルが変わる(大袈裟か)。ものすごくうまく行っているかとい…

幽霊人命救助隊/高野和明

自殺して幽霊となった4人が、現世で自殺しようとする人たちを救助しなくちゃならなくなって、「幽霊人命救助隊」として働きまくる…という話。ヤクザとサラリーマンと若い女と主人公の浪人生男子、という取り合わせやら何やら、だいぶコミカルでベタなエンタ…

まほろ駅前多田便利軒/三浦しをん

直木賞。そこそこ面白かった。解説が鴻巣友季子さん。 東京の神奈川に接したはずれ、まほろ市の中心であるまほろ駅前にある、便利屋多田さんが主人公。年齢の描写はないかな。イメージは30代半ばから40くらいか。独身男性の面倒くさがりな暮らし方と、便利屋…

蒲生邸事件/宮部みゆき

後輩くんに何冊かおすすめを借りた中にあって、全く予備知識なしに読みました(裏表紙の筋書きすら読まず)。それで面白かったから、ここで感想書くと根本的な設定について触れないわけにはいかないので、どうしようかと思う…。。。…それがイヤな方は、ひと…

無事、これ名馬/宇江佐真理

町火消し「は組」の頭、吉蔵と、その妻お春、娘お栄、娘婿で「は組」の纏持ち由五郎。その家庭に弟子入り志願する武家の息子太郎左衛門が、幼子から青年になるまでの吉蔵一家とのつきあいや、人間模様を綴る一冊短編読み切り。 お栄の想い人であった幼なじみ…

インディアナ、インディアナ/レアード・ハント 訳 柴田元幸

かなり長く「積ん読」していたものにようやく着手。 静かな静かな小説でした。 断片的な記憶や手紙の文章が並べられ、描写され。説明なしに語られるノアやオーパルやマックス、ヴァージル、ルービー…これらの名を持つ人物が何者なのかなかなか見えてこない。…

うそうそ・ちんぷんかん・いっちばん /畠中恵

とりあえず、読んだ本メモうそうそ しゃばけシリーズ 5作者: 畠中恵出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/11/27メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (100件) を見るいっちばん しゃばけシリーズ 7作者: 畠中恵出版社/メーカー: 新潮…

水中都市・デンドロカカリヤ/安部公房

安部公房短編集。特に理由もなく、おどろおどろしい魚の装丁が気になって、衝動買い。…と思ったら、装画は安部真知。奥さまだったのですね。そう思っていま家にある安部公房を見直してみたら、新潮文庫の何冊かは安部真知の絵でした。そうだったのかー。無知…

恋人たちの誤算/唯川恵

先月、旅先でお借りしました。25歳女子たちが主人公。弁護士事務所で働く、独立心旺盛な流実子と、お嬢様育ちで一流会社のOL侑里の、それぞれの仕事と恋愛とが並行して描かれて、途中途中でそれが交わって、最後に…収束。ふたりとも、方向は違うけれど、思い…

湯ぶねに落ちた猫/吉行理恵

表紙イラストと解説が浅生テルミン。吉行理恵は吉行淳之介と吉行和子の妹。吉行エイスケとあぐりの娘。淳之介も和子もエイスケもあぐりも知ってましたが、理恵さんは知りませんでした。勉強不足。2006年に66歳で亡くなっている。「湯ぶねに落ちた猫」は亡く…

天下り酒場/原宏一

「床下仙人」がちょっと評判になっていた作家さん。 短編集。表題作は、県庁の役人が天下りで居酒屋の従業員に…という話。ほか、資格とりまくりの人をタレントに仕立て上げる資格ファイター、とか、ある日突然ボランティアを名乗る女性が家庭に入り込んだり…

タイムマシン/アニリール・セルカン

東大の建築学科の教員であり、科学者。大学界隈では有名人なので前から存じ上げておりました。 この本は、セルカンさんの実体験を元に書いた、小説。スイスの寄宿学校を退学処分になった13人の少年たちが、タイムマシンを作ろうとする話。ノーベル賞受賞者と…

おまけのこ/畠中恵

四冊目。着々と。 三冊目「花かんざし」で登場の於りんちゃんと、お雛さんがまた登場。こういう、後になってまたあのときの話と繋がりが…、みたいなのが多いのは、シリーズ読者には嬉しい仕込みですよね。いやだから。サービス上手なんだよなー、この作家さ…

ねこのばば/畠中恵

三冊目。今更気づくけれど、1冊目だけ長編で、その後は短編集なのね。 貧相な奉公人が福の神か!?という「茶巾たまご」は皮肉もあってよし。佐助の過去のものがたりも、「仁吉があったなら佐助の話も読みたいわー」と思う読者(女子)ココロをわかってらしゃ…

ぬしさまへ/畠中恵

二冊目。短編がいくつか。前作ラストで話題に出て気になっていた、腹違いの兄「松之助」がきちんと描かれる。これまた優しい筆致で。三人称で書かれているのだけれど、一人称なひとりごとが普通に挟まれて、なんだか不思議な文章。ついつい引き込まれてしま…

しゃばけ/畠中恵

ファンタジーノベル大賞優秀賞。単なる時代ものではなく、妖怪…妖(あやかし)たちが出てくるところが、ファンタジー? でも、江戸の風物、町や人の描写がナチュラルにとてもうまくて、建物にしろ、日本橋の通りにしろ、かなり鮮やかに情景が思い浮かぶ小説…

吉原裏同心(七)枕絵/佐伯泰英

あら。今回も道中モノです。でも前回のタイトル「遣り手」が、その後のものがたりの発端としてラストまできっちり繋がっていたのに対して、今回の「枕絵」(春画)は読み切り的な話の題でした。あ、旅に出る前に、同郷の出で、幹次郎らが長屋を世話した甚吉…

吉原裏同心(六)遣手/佐伯泰英

シリーズ六冊目。そろそろ停滞気味か?というところで、やりますね(エラソウ)、幹次郎、旅に出ます。吉原の表と裏とを隅々まで物語る仕掛けを少々休んでの道中モノ。評判の「遣り手(やりて)」であったおしまが殺され、その事件解決から物語は始まり。そ…

古道具 中野商店/川上弘美

ひさしぶり川上弘美。東京近郊(イメージとしては中央線沿線)で中野さんの営む古道具屋で働くわたし、店員仲間?のタケオ、中野さんの姉の芸術家マサヨさん…が主な登場人物で。淡々と過ぎる日常をわたし目線でたらたら綴ります。「わたし」は「ヒトミ」。中…