2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

吉行淳之介エッセイ・コレクション1 紳士/吉行淳之介 ・編 荻原魚雷

ヨシユキさんのエッセイ集。これは「紳士」編だということで、主にお酒の席でのたしなみだとか、麻雀の話だとか、ファッションの話だとか。この方ならではの奔放な遊びぶりとダンディズム(この言葉についても面白い話がひとつ)が小気味よい筆致で描かれて…

星の王子さま/サンテグジュペリ 新訳・池澤夏樹

うちには岩波少年文庫の内藤濯さん訳の「星の王子さま」がある。1985年の第54刷。繰り返し読んだからかなりぼろぼろ。そんな本、あえて新訳を読みたかったのは、やはり池澤夏樹という作家がとても気に入っているから。 結論としては、とてもいいですよ。幾度…

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷/塩野七生

塩野七生2冊目。この方は史実に基づいた壮大な「小説」を書かれるのだと勝手に解釈していましたが、この本はかなり「歴史書」で「伝記」的要素が強い。ルネサンス期のイタリアにおいて「優雅なる冷酷」を体現した野望あふれる若者チェーザレ・ボルジアの壮…

鬼平犯科帳10/池波正太郎

ISBN:4167142619 彦十がむかしなじみの盗賊の身の上話に騙されそうになる「むかしなじみ」だとかお熊ばあさんが活躍の「お熊と茂平」だとか。じいさんばあさんの活躍が爽快です。 彦十がお熊をののしる?ときの台詞が「腐れ鰯の骨婆ぁめ!」ってのがすごいよ…

鬼平犯科帳11/池波正太郎

ISBN:4167142627 連続。この巻はもうこれだ「男色一本饂飩」。 同心・うさぎこと木村忠吾が男色の悪漢に惚れられるのですが。「男色一本饂飩」て。池波さんなんだかすごいタイトルつけるなあ。なんかうどん食べたら思い出しそうよ。いや、そういう描写はない…

鬼平犯科帳9/池波正太郎

ISBN:4167142619 鬼平だらけですみません。頭使わずに読めるのですもの…。 この巻ではあれです、「鯉肝のお里」でおまさと五郎蔵が結ばれます。「こんなことになろうとは…」という描写がおかしかった。でもいいんじゃないでしょうか。いつもと趣向が違って面…

徹夜するほど面白かった小説を教えてください

5/2の記録の「千尋の闇」というのは これ↓ を見て興味を持ちました。参考にするつもり。http://q.hatena.ne.jp/1141226898

鬼平犯科帳8/池波正太郎

ISBN:4167142600 鬼平8冊目。「用心棒」「明神の次郎吉」は鬼平らしいイイ話。よしよし、という感じ。西の盗賊に陥れられる話はなんだっけ、やたら同心の身内が殺されるのがなあ。まあとにかく兇賊の簡単な描写として「一家皆殺し」みたいなことよく出てき…

千尋の闇 /ロバート・ゴダード 訳 幸田敦子

読み始めたら止まらなくなる本、という括りで取り上げられてたので興味を持って購入。1997年の文庫翻訳ミステリー作家評論家が選んだベスト1、でもあるらしい。 失業中だった歴史学者が、1900年初頭のイギリス政界に絡んで起きた事件を解き明かしていく物語…