2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

私小説 from left to right/水村美苗

最大の特徴は「横書き小説」であるということ。最近どっかの怪しいワカモノ向け作家もやっていたけど、こちらはとにかく英文混じりの文章なので必然的にこうなっている。いや、英文混じりの日本語で書くこと、を強い思いで選択したことは、読んでみるとよく…

雪屋のロッスさん/いしいしんじ

いろいろな職業につく人やモノが主人公の短編が…いくつあるんだ?ええと30篇。「調律師のるみ子さん」だとか「床屋の国吉さん」だとかの、ある程度想像つく職から、表題作「雪屋のロッスさん」だったり「犬散歩のドギーさん」だったり謎めいたものまで、もし…

鬼平犯科帳(四)/池波正太郎

ああとうとう4巻まで読んでしまった。弟には、「こっちくる用事ないの?なかったらもう着払いでいいので残りを送ってくれ」と連絡中です… 先週金曜日に、実は久々のドラマ版「鬼平」が放送されたらしく、ファンの間ではその話題持ちきりの様子。せっかくそ…

鬼平犯科帳(三)/池波正太郎

なぜか今回は画像があったぞ。 鬼平、やばい。面白い。しかもすごく読みやすい。一日一冊行けてしまいます。手元にはあと一冊しかないというのに…(残りの巻は弟が所有)。鬼の平蔵、今回はお役目を解かれて京都奈良へ旅をします。そこでまた事件に遭うので…

沖で待つ/絲山秋子(文藝春秋で)

絲山さん、たまに新聞にエッセイが載っていて、それは結構好きだった。なんか小さいことを書いているのだ。ちまちましたことを。でもあまり女々しくないというのが良かった。 小説は初めて読んだ。良くも悪くもかなり淡々。その淡さが独特、ってとこまで行っ…

鬼平犯科帳(二)/池波正太郎

ISBN:4167142546 そしてさくさくと読み終わる2冊目。鬼平ファンのサイトなどを覗いてみると、「好きな盗賊」だとか言い募ってるのがおかしかったのだけど、ああ、わかるかもー。となってきた。これからますますスバラシイ親分が出てくるのでしょう。登場人…

耳のこり/ナンシー関

鬼平の傍らでナンシー関。いや、貸して貰ったのでうきうき読んでしまいました。ナンシー関というのは、そうそう、こういうのだよな、うんうん、と。浅い知識しかなかったワタシが納得する一冊でした。著名人をひたすら斬ってゆきます。だいたい2000年頃の話…

鬼平犯科帳(一)/池波正太郎

ISBN:4167142538 最近読書熱がまた高まっており、 新しい本を読み尽くしたので親の本棚に手を出すことに。 ワタシの本棚とかぶらないところで 内田康夫と 浅田次郎と 池波正太郎 というのが文庫でほぼ制覇されているのは知っていた。 で、内田・浅田はたまに…

水に眠る/北村薫

引き続き短編集。最近短いのばっかり。好きなんだけど、一瞬で読み終わるな…。話は比較的どれも軽口だったかも。最初の「恋愛小説」がちょっと違和感…不思議系だったので不安になったけれど、あとはまあ大丈夫でした。「くらげ」と「かとりせんこうはなび」…

間違いの悲劇/エラリー・クイーン

最近軽い・薄いのばかり手をつけて、一日一冊ペース。どんだけ不経済かって話ですよ。とりあえずここを見ているよくワタシと会う友人たちは、何でもイイから本を貸してくれるといいよ。逆に「(ここ読んでると)僕はもう自分で本を買わなくてもいいように思…

十二人の手紙/井上ひさし

ISBN:4122007216 短編集。書簡形式。趣向を凝らした手紙の文面で物語りが綴られる。「同封した戯曲」を読ませたり、もしくは「出生届」「死亡届」「家出人捜索願」だったりで話を進めたり、出されなかった手紙だったり、もういろいろです。人の哀れさ、みた…

世界の果てのビートルズ/ミカエル・ニエミ 訳 岩本正恵

スウェーデンの大ベストセラーだそうです。スウェーデンと云っても小洒落たストックホルムではなく、北部の、雪に埋もれた、フィンランドとの国境地帯トーネダーレンでの「ぼく」の青春期。かなり幼い頃の思い出から、「ビートルズのロックンロール・ミュー…

三谷幸喜のありふれた生活4 冷や汗の向こう側/三谷幸喜

どうでもいい話から入ります。ワタシ、これ1〜3まで持ってるんですよ。そしてそれらを父に貸したことがあったの。4も勿論買うつもりだったの。ただ、ちょっと忘れていて、数日空いてた…ら、父が買ってた!「ほら」と貸してくれたのですよ。嬉しい。嬉しいの…

冒険の国/桐野夏生

1988年第十二回「すばる文学賞」最終候補作のリメイク、ということで元は桐野夏生デビュー前の作なのかな。昨日のに引き続き、図らずも31歳独身実家暮らしの女性という微妙な設定が近しい主人公…。この本では36歳の姉もまだ実家にいるんですけどね。そして舞…