2005-01-01から1年間の記事一覧

伊丹十三33歳のときの求人広告

配偶者を求めております 一、ごく贅沢に育てられたひと 一、ただし貧乏を恐れないひと 一、気品、匂うが如くであること 一、しかも愛らしい顔だち 一、エロチックな肢体をあわせ持ち 一、巧みに楽器を奏し(ただし、ハーモニカ、ウクレレ、マンドリンは除外…

再び女たちよ!/伊丹十三

また買ってしまった。読み始めると止まらないな。変わらずのエッセイ集です。今回はネコに関する話がいくつか。猫好きなんだなあ。飼ったことないくせに(しかも猫アレルギーっぽい)猫との暮らしに憧れるワタシにとっては、伊丹さんとこの「黄金丸」のかし…

西日の町/湯本香樹実

よかったです。本屋で見かけて即手にとってしまいました。好きな作家、というにはあまりに寡作なのですが、前2冊の「夏の庭」「ポプラの秋」も、いいんだ、とても。どれも子供が主人公ものでして。最近は幾人か大丈夫な作家も見つけてますが、そもそもは子…

椿山課長の七日間/浅田次郎

浅田次郎の軽口、しかしお涙頂戴モノです。死後の世界が描かれています。死んだ後、どうなるのかを裁く役所みたいなのがあって、そこでの手続きを経て、現世に「条件付き」で戻れたりなんかして。無茶苦茶なんだけど、つい読み進んでしまいましたよ。百貨店…

日本世間噺大系/伊丹十三

3冊目。これは昭和51年初版。今までのものよりもうすこし脈絡なくいろいろな話を集めている。いつもの調子のエッセイと、短編小説みたいなのと、あとインタビュー記事だったりレポートだったり…これは全部リアル?なんだよな? 伊丹さんに抱いたイメージそ…

女たちよ!/伊丹十三

すっかりはまってしまった。伊丹さん。痛快で気持ちよい。うはは、と笑ってしまう。 やっぱり偉そうなんだけど、素晴らしい。解説池澤夏樹氏も言ってましたが(2005年 再版での解説)、やはりこれを昭和40年代前半に書いていたというところがすごいん だろう…

ヨーロッパ退屈日記/伊丹十三

面白かった。とても。名著の文庫化、ということですが、伊丹さんが文章うまいのは知っていたけれど、こんなに洒脱だとは。そうして商業デザイナーしていたというのも聞いたことあった気がするけれど、こんなにイラストも上手だとは。初版が昭和40年だという…

珠玉/開高健

ISBN:4167127113 開高健の絶筆だそうです。宝石を主題にした3編1組。本にするにはボリュームが小さいのだけれど、なんとか出したかったんだろうな、字が大きくて余白が多い苦しい字組が最初目に付いたのですが…面白かったのでよいです。男性一人称で、まる…

くちづけは眠りの中で/リンダ・ハワード  訳 加藤洋子

二見文庫のミステリ・コレクションていうんだけど、これミステリーじゃないよな!?違うと思うぞ。女性主人公モノ。CIAの雇われ殺し屋リリーは37歳で、ある復讐の為に職務を捨て敵討ちに走る。冒頭でメインの敵を殺すのだけど、そこらへんまでの緊迫感がピー…

マシアス・ギリの失脚/池澤夏樹

読むのに休み休みで3週間くらいかかってしまった。それなりに分厚い文庫だけれど、それ以上に中身が広くて濃い小説でした。日本というもうひとつの島国との深い関わりを持つ南洋の島国ナビダードの大統領マシアス・ギリのある意味壮大な一代記ではあるのだ…

時生/東野圭吾

可もなく不可もなく。でも盛り込みすぎ感。遺伝性の不治の病、親の愛情、時を越えて父のもとへと現れる未来の息子、生い立ちの不幸に自棄になっている若い男、愛想を尽かす恋人、政界がらみのスキャンダルでの逃亡・誘拐・監禁・救出、明かされる出生の秘密…

ふしぎな夢/星新一

「ブランコのむこうで」で久々に手に取った星新一。あれ売れたんだろうな。だから今度は文庫未収録作品集だそうです。ブランコ…と違って、これは星さんの王道SF世界。「病院にて」が、もうこれこれ、そうそう、こういうのが星さんなんだよー。と思える作品…

龍宮/川上弘美

画像リンクが大きいのしかない?→ さて短編集が続くと、ちょっと物足りなくなってくるわけですがこれも短編。で、ちょっと前にがつがつ読んでいた川上弘美ですが、こーれはあんまり得意じゃなかったな。「蛇を踏む」で苦手意識を持ったのを思い出してしまい…

東京奇譚集/村上春樹

父のおつかいで出かけた東京駅本屋で発売日前日だけど発見・購入→帰りの電車で読了。きゃー。何だか勿体ないことをした気分です。久しぶりの村上春樹短編集。相変わらずさらさら読めてしまった。5編入っていますが、いろんな時代の春樹氏の短編を彷彿とさせ…

プラナリア/山本文緒

間が空いたー。それは専門書を読んでいたり論文で頭が溶けていたり携帯にD/Lしたゲームにはまっていたり(電車の中で)手を付けた池澤夏樹がつまらないわけではないのになかなか進まなかったりしていたからなのですが、さすがに「活字をくれ!」と本日3冊入…

読書感想文

この読書日記にアクセスしてくる際のリンク元は、ほぼ書籍名か作家名の検索から。でも8月後半になってから激増したのが「書名」+「読書感想文」の検索ワード。 うう。せめて自分で書いて、ネットでの検索で他にどんなこと書いてるヒトがいるんだろー、って…

流星ワゴン/重松清

なんか、沁みました。薦めてくれた方々、ありがとう。やっぱり、やるせないというか痛いのだけどね。橋本さん親子を突き詰めて考えたりすると、かなり。途中何度も苦しくなるし、つらいし、38歳のリストラされたお父さんである主人公も「疲れた」とつぶやい…

記憶の絵/森茉莉

ISBN:4480025987 一枚一枚記憶をめくっては描き留めた絵のような、短い短い随筆集。つらつらと話しかけるように綴られる。森茉莉さんという方は、なんかこう、想像ではもっと気取った、貴族趣味の、きれいきれいな女性のイメージだったけれど、これを読んで…

翼はいつまでも/川上健一

中学生主人公もの、というわけでまず最近読んだ重松清を思い出しました。大人が子供を書いていて嘘っぽくないところは似たイメージ。しかし「ナイフ」は現代・都会だけれどこちらは十和田市の中学生・ビートルズが不良の音楽だった時代。主人公の友人が力石…

長めのいい部屋/フジモトマサル

ABCでぱららら…とめくったら手を離せなくなりましてお買い上げ。ソファが欲しい猫くんの一話にベタ惚れ。漫画本です。 ちょっとこう、ヨーロッパ漫画風味なとこがくすぐるんですが、でもやっぱり日本人ぽく擬人化されてたり…もする動物たちがたまりません。…

冷静と情熱のあいだ―Blu/辻仁成

読了。コレ難しい。読み進むにつれてRosso−女性版での主人公あおいと、こっちの男性版での主人公順正が、本当に愛し合っていた…というのが納得いかなくなってしまった。だって順正という男はかなりひとりよがりだよ。思い込みで突っ走るタイプで。あおいはも…

冷静と情熱のあいだ―Rosso/江國香織

まずは女性版を読み終えました。あまり起伏がないのね。うねうねとなだらかなカーブで進んでいく物語でした。もっと、それこそ情熱的な恋愛小説を想像していたので。 主人公あおいの悟ったようなその達観ぶりに微妙にいらいらしつつも、ええと平仮名3文字の…

↑だから書いた記憶がない。(いま翌朝)

自分のサイトの日記をレンタルのブログなんかにしないのは、更新簡単にしちゃうと、こうして前後不覚になったときに何書き出すかわからないから。ですよ。ホントに…。たちが悪くなっている気がします。酔ったときに。自制心が足りない。感情がぶわーっとさら…

酔っています。

そんな夜は更新してはいけません。 今日は青山ブックセンター本店で本を4冊買ってきました。 あの倒産騒ぎ以降、ABCに行ったときは出来るだけ本を買っています。 あのプロ野球大騒ぎ以降の今年、とにかく出来る限り球場へ行っています。大好きなものを残す…

龍は眠る/宮部みゆき

いやもう、宮部みゆきはこういう現代物長編が一番上手だと思います。個人的好みでは。超能力少年、なんていうとやはりスティーブン・キングなど想像しましたが、そんなにはずれてなかったみたい。物語は雑誌記者高坂の一人称。ふたりのサイキック…超能力者が…

アド・バード/椎名誠

つづけて初・椎名誠。近未来SF…でいいのかな、ジャンルとしては…と読み進めて。あとがきでも解説でもSFって言ってるからいいらしい。でも椎名誠ってSF作家じゃないよね?? 広告に支配され、果ては戦争まで起き、有毒有害な「虫」たちが街を滅ぼしてい…

かまいたち/宮部みゆき

初期短編集時代物。江戸の街で起きた事件を、女の子が解決!というのが3編と、小話のようなのが1編。テンポがいいし読みやすいのだけど、ちょっと軽い。そこがいいのかもしれないけど。 初期の初期、デビュー前ということで甘く見なくてはいけないかもしれ…

ナイフ/重松清

初・重松清。短編集。ううううーん。上手だ。文体は好き。しかし上手ゆえに痛い…と云えばいいのか。主人公は親であったり子であったりするんだけれど、その殆どにいじめが扱われている。いじめの描写、いじめられている側の必死さと辛さとプライド、親の気持…

駅路/松本清張

傑作短編集6ということで、これは推理小説的な編。社会派推理小説と言いますか、日常生活というか会社などの組織生活の破綻にまつわる話が松本清張らしい、のかな。犯人にせよ被害者にせよ刑事にせよ、あまり内面を描きすぎないのが、最初物足りない気もし…

愛の年代記/塩野七生

初塩野七生は恋愛モノ短編集。イタリア中世末期からルネサンスくらいまでの時代、愛に生きた女性達の物語でございます。繁栄するヴェネチアの描写がステキで、ゴンドラ滑る水の都に惹かれました。筆力で絵画的な街の風景まで描けてしまうのはすごいね。一応…