2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ヨーロッパ退屈日記/伊丹十三

面白かった。とても。名著の文庫化、ということですが、伊丹さんが文章うまいのは知っていたけれど、こんなに洒脱だとは。そうして商業デザイナーしていたというのも聞いたことあった気がするけれど、こんなにイラストも上手だとは。初版が昭和40年だという…

珠玉/開高健

ISBN:4167127113 開高健の絶筆だそうです。宝石を主題にした3編1組。本にするにはボリュームが小さいのだけれど、なんとか出したかったんだろうな、字が大きくて余白が多い苦しい字組が最初目に付いたのですが…面白かったのでよいです。男性一人称で、まる…

くちづけは眠りの中で/リンダ・ハワード  訳 加藤洋子

二見文庫のミステリ・コレクションていうんだけど、これミステリーじゃないよな!?違うと思うぞ。女性主人公モノ。CIAの雇われ殺し屋リリーは37歳で、ある復讐の為に職務を捨て敵討ちに走る。冒頭でメインの敵を殺すのだけど、そこらへんまでの緊迫感がピー…

マシアス・ギリの失脚/池澤夏樹

読むのに休み休みで3週間くらいかかってしまった。それなりに分厚い文庫だけれど、それ以上に中身が広くて濃い小説でした。日本というもうひとつの島国との深い関わりを持つ南洋の島国ナビダードの大統領マシアス・ギリのある意味壮大な一代記ではあるのだ…

時生/東野圭吾

可もなく不可もなく。でも盛り込みすぎ感。遺伝性の不治の病、親の愛情、時を越えて父のもとへと現れる未来の息子、生い立ちの不幸に自棄になっている若い男、愛想を尽かす恋人、政界がらみのスキャンダルでの逃亡・誘拐・監禁・救出、明かされる出生の秘密…

ふしぎな夢/星新一

「ブランコのむこうで」で久々に手に取った星新一。あれ売れたんだろうな。だから今度は文庫未収録作品集だそうです。ブランコ…と違って、これは星さんの王道SF世界。「病院にて」が、もうこれこれ、そうそう、こういうのが星さんなんだよー。と思える作品…

龍宮/川上弘美

画像リンクが大きいのしかない?→ さて短編集が続くと、ちょっと物足りなくなってくるわけですがこれも短編。で、ちょっと前にがつがつ読んでいた川上弘美ですが、こーれはあんまり得意じゃなかったな。「蛇を踏む」で苦手意識を持ったのを思い出してしまい…

東京奇譚集/村上春樹

父のおつかいで出かけた東京駅本屋で発売日前日だけど発見・購入→帰りの電車で読了。きゃー。何だか勿体ないことをした気分です。久しぶりの村上春樹短編集。相変わらずさらさら読めてしまった。5編入っていますが、いろんな時代の春樹氏の短編を彷彿とさせ…

プラナリア/山本文緒

間が空いたー。それは専門書を読んでいたり論文で頭が溶けていたり携帯にD/Lしたゲームにはまっていたり(電車の中で)手を付けた池澤夏樹がつまらないわけではないのになかなか進まなかったりしていたからなのですが、さすがに「活字をくれ!」と本日3冊入…