夜中にジャムを煮る/平松洋子

平松洋子さんのエッセイ、初めて読んだ。すこし文章がうるさいのだけれど、ごはんの話し、どれもおなかがすきそうな勢いがある。
木浦での食は、実体験あるので面白く読みました。とりあえず七輪も買いたくなった。

夜中にジャムを煮る (新潮文庫)

夜中にジャムを煮る (新潮文庫)

とりあえず

最近またすこし小説やエッセイを読み始めた。一時期は本当に読まなかった。
専門書は読むけれど、読んでも読んでも読むべき本は山積みで、趣味のものなんて読む暇ないと思ってしまってた。
でもやっぱりそれだと頭が悪くなるというか。
仕事の本は読まねばならないけれど、それこそ心の栄養となるようなものもたくさん読みたい。40になって、それこそ一生に読める本の量なんてたかが知れてる、ということを自覚しはじめた。

色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年/村上春樹

村上春樹久しぶりに読むと、文体に馴染むのに時間かかる(今回は本全体の1/3くらいかかった感)。

村上春樹の小説読んだのは1Q84以来か。久しぶりでした。
それなりに面白かったような気がする。
(読み終えて随分たってから書いている)

あとでまた書き足す。

舟を編む/三浦しをん

文庫化を待っていた。
とてもよかった。
久しぶりの小説一気読み。

(これも読み終えてからだいぶたったのでいろいろ忘れているけれど)
ひたむきに仕事に取り組むこと、
真摯であることの、本当の気持ちよさみたいなのがあった。

読み返そう。

舟を編む (光文社文庫)

舟を編む (光文社文庫)

阪急電車/有川浩

これも帯には「100万部突破の大ベストセラー!」の文字が踊り。眉に唾付けながら開いたのですが、こちらは面白かったです。普通に。よい本だ、と思えた。大作ではないので、がっつり読書欲有るときには物足りなさそうですが、ほどよく空腹感が満たされてとても美味しいカフェめしみたいな感じ。←どんなだ。

阪急今津線の駅名がタイトルになった短編が並ぶ。電車が進み、駅につくごとに、もしくは電車内で起こるものごとを紡いでつないで行く構成。登場人物も若いカップルから女子高生、おばあさん、OLまでさまざまだけど、年配の男性は出てこないなそういえば。それぞれのストーリーが絡み合ったり、それぞれの主役たちが袖すりあったりして電車が進み、しばらくして、また引き返す。
性善説。登場人物が気持ちのいい人ばかりで、それはえてして軽口になってしまいそうだけれど、結構読めた。すっきりする話が多くて読後感爽やかなので、もうそれだけでいいや。
阪急今津線、乗ったことはあるけれど、一回か二回てとこだよな。沿線や電車の雰囲気がしっかりわかる関西の方々にとってはより一層楽しめるのだろうな。
ほかも読んでみたい作家となりました。解説は児玉清さんだった。

阪急電車 (幻冬舎文庫)

阪急電車 (幻冬舎文庫)

傍聞き/長岡弘樹

推理小説の短編集。帯に、日本推理作家協会賞受賞!とかなんちゃらの国内ミステリー部門1位!とかあったので、期待し過ぎてしまった…。
つまらなくはないけど、そこそこでした。
それぞれ、刑事だったり消防士だったり、何らかのプロフェッショナルな職のひとを主人公に据えて、その仕事ならではの符丁のようなものがそれらしく使われている。短い中にかなり複雑な人間関係を持ち込んだりもする。一方で、短くおさめるために、かなりいろいろ「省いている」印象で、それで簡潔になるかというと、どちらかと言えば不親切で乱暴。解説も褒め過ぎじゃないかなあ。帯と解説に中身が負けてしまってるような。
種となるものはまあ魅力的で、短い中でよくうまく持っていけるなあ、という展開ではあるけれど、やっぱり短すぎるからかな。すぐに種が透けて見える。伏線が伏線としてはっきり読めてしまうので、うまいな、とはならず。物足りなさが残りました。表題作「傍聞き」より最初の「迷走」がよかったな。非現実的とは思いつつ。

傍聞き (双葉文庫)

傍聞き (双葉文庫)

けものたちは故郷をめざす/安部公房

どこかで、無人島に持っていく一冊にこれを挙げていたひとがいたのを目にして、買ってみた。かなり傷んだ古本で。最近軽いものばかり読んでいたので、消化不良を起こしそうな重みでしたが、ちょうど実家に帰る用事が続いたので行き帰りで一気に読めた。
(余談だけども、ここ数年の読書量のがた落ち理由は、通勤が片道15分くらいの職住近接になったことと、iPhoneの導入が二大理由だと思っている。実家からは毎日往復で2時間は電車に揺られていた)
戦中〜戦後くらい、満州で、ロシア人のもとで給人のような仕事をしていた日本人の青年が、日本へ戻ろうとする(と言っても生まれは満州である)話。か。飢えと渇きと寒さと恐怖と、人間の汚さと、不条理と、惨めさと…。途中で、何を求めているのか見失いそうになる。暗くて厳しい世界。小説として、滑り出しが秀逸だった。最後は少し乱暴な終わり方の印象。
遠い話ではあるけれど、少なくとも自分の祖父母は生きていた時代、父母が生まれた時代なのだよなあと思う。

けものたちは故郷をめざす (新潮文庫)

けものたちは故郷をめざす (新潮文庫)